

もてなしのリズム(シリア)
コーヒー豆を煎ると、テントに良い香りが漂った。 ベドウィンの主人は木製の臼と杵でその豆をついて挽く。 その音が作るリズムに合わせて歌いだした。 子どもたちがウキウキして近くへ寄って来た。 さらにカルダモンが加えられ香りが変わった。...


新しい笑顔【スリランカ】
© Mitsuya Watanabe 長い内戦が終わったスリランカ北部にある マナー島の幼稚園で、 外遊びを終えた園児たちが”手洗いの歌“に合わせて しっかり手を洗ってから園に戻ってきた。 内戦後に生まれた子供たちの笑顔は、新しい時代を象徴しているようだった....


学びの市場【エジプト】
肥沃なナイルデルタの村の市場で アラブ料理に欠かせないトマトを 品定めする女性がいた。 いかにも大家族を抱えていそうな お母さんの貫禄がある。 静かに対応する売り子の娘は 彼女からアラブの女性の仕事ぶりを 学んでいるように見えた。


コーヒータイム(ギリシャ)
観光客が行き交うミコノス島の海沿いのレストラン。 海を眺め、いつものコーヒーを楽しむおじさんたちが、まるで旧知の友を迎えるような笑顔を私にくれた。 世界がコロナに覆われた今、彼らの日常の風景にあった観光客の姿は消えたことだろうが、おそらく彼らは...


もてなしの人々
撮影地: シリア ©Mitsuya Watanabe 乾いたラクダのフンを燃料に ホブス(アラビアパン)を焼き上げる 母の手さばきを娘がずっと見ていた。 電気、ガス、水道などがない沙漠でも テントを訪れる者にできる限りの もてなしをするのは、ベドウィンたちの 誇りでもある。...


沙漠の空(シリア)
日中の強い日射しから解放された夕焼け沙漠に おしゃれな姉妹たちが遊んでいた。 占星術発祥の地(バビロニア)のこの沙漠。 子どもたちは満天の星の下で星座物語を聞くのだろうか。 はたまたテントの中で親たちからジーン(精霊)の話を聞きながら眠りにつくのだろうか。...


浜小屋の夢(タイ)
タイ南部の小さな、静かな漁村の 浜小屋で子供たちが遊んでいた。 大人の姿が見えなかったのは、 漁に出ていたか、出稼ぎに 行っているからだろうか。 にぎやかな子供たちの中に、 大事そうに本を抱える女の子がいた。 どの子もそれぞれの夢をいっぱい 抱えて集まっているように見えた。...


乾期の小学校で(スリランカ)
リゾート開発が進むスリランカの東部にあり、 インド洋に面した町、カルムナイ。 高温多湿のスリランカだが、訪れた時期が 乾期のせいか、小学校の教室から顔を のぞかせた子どもたちもカラリとした 明るい笑顔を見せてくれた。 スリランカもコロナの影響を受け、...


井戸からのプレゼント(ザンビア)
かつて、毎日遠い川から水を汲み、村まで運ぶ作業は、女性や子どもたちにとって重労働 だった。 村にできた手押しポンプの井戸のおかげで、彼女たちの表情は明るい。 その井戸水も安全な飲料水とは言い切れないが、女性たちに貴重な時間を、そして子どもたちには学校へ行けるチャンスを与えて...


海路で波遊び(スリランカ)
古くからスリランカにはシンドバットのように宝石や香料を求める商人たちが海の向こうからやって来た。 今もアジアとアフリカ、ヨーロッパの海運の重要な中継地だ。